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2010年12月29日 (水)

弧族の国

長引く不況の影には、たくさんのやりきれない事情が潜んでいる。
生活相談の中で、否応なしにその現実と向き合わされる。

朝日新聞に「弧族の国」という連載がされている。
今日の内容は「39歳の餓死」。昨年4月に北九州で起きた餓死事件を追ったものだ。
いつ同じことが起きても不思議ではない状況にしばしば直面する。

この何年かで生活保護の申請には数え切れないほど立ち会ってきた。
路上生活の方の対応も何件もした。
自立して生活保護が必要になった方もいる。
しかし、現実の社会はそう生易しくない。

「仕事を選ばなければ」と言う人もよくいるが、今の状況を知らない人の言い分だ。
条件を問わず、求人があれば1つの枠に何十人も押しかける。
だれもが一人ひとり生きている生身の人間である。

何十件、百数十件、応募に断られ続ける心境はいかばかりだろうか。
「あなたはいりません」、と
延々と言われつづけ、どれだけ耐え、人格を維持できるだろうか。

少しでも仕事を増やすこと、社会全体を元気にすること
その努力が、私たちのような人間には求められていないか。


この先には、まだまだ困難な社会状況が続くだろう。

社会的なつながりをつくる政策が求められる一方で、
孤立無援となる人たちはますます増えていくことは否定できない。
そこをきちんと救えるセーフティネットを整えなければならない。

社会的な理解も大きな課題だ。

貧困に対して、社会の目は想像以上に冷たく厳しい
誰でも陥る可能性があることを、多くの人たちは理解しない。

個人の責任、自分が悪い
そこに税金が使われることに対する拒否感

私たちの国では、あまりにも他に冷たい考えが蔓延している。

死者に鞭打つような寒々とした、他を寄せ付けない社会のありようで
いつまでこの社会が持続していけるのだろうか。
そう考えると、空恐ろしくなる。

その一方で、誰かの力になりたい、あたたかいつながりを
と願う人の努力が
私たちに希望の灯を見いださせる。

新聞記事を見て、少しはこの実態に向き合う人が増えるだろうか。
みんなは、どんな気持ちでこの現実と向き合っているだろうか。


自分自身のうったえが、社会にどれだけ届くのか
どうしたら理解してもらえるのだろうか
そんな日々の不安と合わせて記事を見つめた。

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コメント

昨年からのシリーズを読み続けていると、人口が少なくなる2030年はどうなってしまうのかなという不安がよぎります。
でも弧族と呼ばれる人を作ってしまったのも社会であると思います。したがって社会全体が変わらないといけない。地域で暮らす私たち自身も変わる必要があると思います。弧族と呼ばれる人達同士で、これからのこと、健康なうちは何とかなっていたけども病気になったときにどうするのか、考えているのか等討論してもらうのも本人がこれからの事に対しての意識をするきっかけになるか名と思います。どうやってそういうような機会がもてるのかが見つからず悶々としています。

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