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2012年3月

2012年3月26日 (月)

がれき処理について思うこと

広域がれきの処理と、川越市議会の決議に対して個人的に感じていることを少し書いておく。

あくまでも、私個人の見解で、党や議会の共通認識ではないのでご承知おきいただきたい。


まず、ガレキの処理に関して危惧される問題は、すぐに想定されるものだけでも以下ようなものがある。

・放射能に汚染されているガレキは、汚染されている地域の中に閉じ込めるべき。広域に処理することは放射能の拡散になるため、やるべきでない。

・ガレキ処理を処分するには焼却などの方法が必要になり、どこかで受け入れた場合には、その処理で実際に大きな影響を受けるのは焼却処理場近隣の住民となる。

・ガレキには様々な混入物があり、焼却処理を行う場合には処理施設に対して通常よりも大きな負荷となる。当然、それまで想定していた処理場の寿命や維持管理の期間やコストにも影響がある。

・長距離を移動させて処理をすることは、処理の方法としても効果的とはいえない。


これらを前提としながらも、現状で解決がつかないのであれば、別の地域での処理を全て否定する必要はないと考える。


さて、今回の国と自治体の対応の問題はどうだろうか。

1点目の問題。
まず、被災地で本当に処理が不可能なのだろうか。

国を中心とする被災地の再建への態度に大きな疑問がある。
仮設住宅の建設は、大手ゼネコンに丸投げし、寒さ対策をはじめきわめて不十分なだけでなく、地元の仕事の再建にも繋がらないやり方が目立った。一方で、地域の力を活かした再建に取り組んでいる地域も少なからずある。いまだに処理できない、と言っているものは、本当に地域の力を活かした結果なのか。

処理費用をきちんと国が持ち、地域の人に雇用を増やす形で処理する方法が可能でないか。
被災地に処理場を作って、処理の過程で生まれる膨大なエネルギーから発電をすることさえ可能である。ガレキを焼却処分するのだから、火力発電所を増設するのと同じ意味を持つ。
もちろん、これは遠くに運んで広域処理する場合でもまったく同じことなわけだ。


2点目の問題。
放射能汚染されたガレキについて。

放射能汚染ガレキと、通常の廃棄物相当とされるものは区分できるか。
この点に関しては、福島県のガレキは汚染されているとして広域処理からは除かれている。
しかし、岩手県や宮城県のガレキは放射能汚染されていないのかという問題だ。
各地で測定が進んだ結果、汚染は広範囲に広がっていることが分かった。

岩手も宮城も当然汚染されている。同時に、関東でも相当な汚染があるのが実態だ。
よそからモノを持ってくれば、含まれているものはわずかでも絶対量は増える。物理法則の通り。
しかし、それは例えば市内の草木を処分するのと比べてどのような違いなのだろうか。
結局、処理をするのは焼却場なのである。そして、最終処分物はどこへ行くのか。それが問題になる。

処理前から処理後までの放射線量のはあくがまず必要である。
処理前を把握するには、当然ながら移動をさせる前の状態としてわかることが必要なわけだ。
実際のところ、宮城県や岩手県のガレキがどのような状態であるのか正確な情報はほとんど伝わっていない。

実は、この間、市内で処理した一般の廃棄物を処理した後の灰などは、県外に持って行って処分している。
このような実態もあまり知られていない。


わたしは、いま必要なのは、
・被災地のガレキについて正確で詳細な情報を集め、公開すること。
・放射能汚染の被害に対しては全面的に東京電力が賠償すること。
場合によっては東京電力が倒産し、国の管理下になるかもしれない。それくらいの問題である。当然、出資をして利益を得てきた株主にも同様の責任が求められる。消費者が税金や電気料金として負担をこうむるのはそれらがすべて行われても賄えない場合に限るのではないか。
・各自治体は、被災地ガレキの問題の有無にかかわらず、自らの地域の放射能汚染への対策を抜本的に強化すること。自分の地域の住民のいのちに責任を持つこと。
・放射能の問題とガレキ処理の問題を責任を持って住民と論議すること。

だと思っている。

今回、川越市議会は市に対して、先の記事に書いたとおり意見書を出した。
「広域がれきの受け入れ」という形になっているが、決議文をご覧いただければわかるとおり、情報公開と放射能汚染対策、市民への説明を求める内容になっている。

議会でこの問題が話題になった時に、意見が分かれる問題であることを指摘し、全会派の合意を得られる形を模索した結果が今回の決議になった。
様々な条件を設け、一定の議論の土台と情報公開などが担保される文面になっているので、私たち日本共産党も同意したうえで全会一致になっている。

新聞などマスメディアの報道では「がれき受入れ」というタッチで描かれているので、市が受け入れを表明したかのような誤解を多くの人が持ったようだ。これは、これとして、関心を広げた効果はあったようだが、実際には議会からの市への要請であって、今後市がどうするかは注目される。

いずれにしても、あらためて、広く市民の議論となるべき問題だと感じている。
ぜひ、市へも多くの意見を寄せてほしい。

市議会で可決された「がれき処理の受け入れ」に関する決議のこと

3月16日に閉会した市議会の最終日に可決した決議について、市が受け入れを表明したという誤解があるようです。

 今回の決議は、議会から市に対して要請したもので、市が意思決定を行ったわけではありません。また、内容も単純に受け入れを表明せよというものではありません。
 まずは、きちんと内容をお伝えするため、決議全文を掲載しておきます。


市民の理解が得られる形での広域がれき処理の受け入れに関する決議

 昨年(二〇一一年)三月十一日、マグニチュード九・〇という世界最大級の東日本大震災が発生し、東北地方を始め、東日本の広範囲にわたる地域が、地震とそれに続く津波により、我が国でかつてないほどの大きな被害を受けた。
 これまでも全国各地の多くの人々が、被災地の復旧と復興に向けて取り組んでおり、本市でも専門知識を有する職員を派遣するなど、様々な形で復旧と復興に向けた支援を進めてきた。
 しかしながら、被災地の復旧と復興に向けて大きな障害となっているのが、膨大ながれき処理である。岩手、宮城、福島三県では、約二千二百五十三万トンのがれきが発生し、一年経過した現在でも六%程度しか処理ができていない状況である。政府は処理が進まないがれきのうち、県内処理を国が決めている福島県を除く、岩手県の約十一年分にあたる約四百七十六万トン、宮城県の約十九年分にあたる約千五百六十九万トンのうち四百一万トンについて広域処理をすることとし、全国の自治体に対して協力を呼びかけているが、受け入れが進んでいないのが実情である。
 被災地の方々の苦悩を思うと、全国民の協力によるがれきの一日も早い処理が求められている。
 がれきの処理なくして被災地の真の復興はあり得ない。
 川越市議会は、昨年三月十六日に「東北地方太平洋沖地震に関する決議」を可決し、最大限の支援を行うと決意した。
 よって、本市議会は、本市に対し、科学的な知見により放射能の影響を検証し、処理前から処理後までの放射線量の測定等、安全であることを確認できる十分な体制を整えることを条件に、通常の廃棄物相当と判断されるものについて受け入れを表明することを要請する。
 なお、受け入れに際し、岩手県及び宮城県のがれきについて情報を開示し、国及び本市が市民への説明責任を履行するとともに、本市において放射性物質濃度を国の基準以下にするなどの検討もあわせて要請する。
 右、決議する。

   平成二十四年三月十六日
                        川越市議会



「決議文」をダウンロード

2012年3月20日 (火)

市民の理解が得られる形での広域がれき処理の受け入れに関する決議について

議会最終日の3月16日、障害者総合福祉法の早期制定を求める意見書のほかに、「市民の理解が得られる形での広域がれき処理の受け入れに関する決議」が可決しました。

報道がとても一面的なので、こちらについても少し説明が必要かと思います。
とりわけ、放射能汚染の心配もあり、市民の感情も真っ二つに分かれることが想定されていますから
ていねいな説明と報道を心掛けたい内容です。

もちろん、議会で提案、可決に至った経緯もそのようなことを含んでのものです。

取り急ぎ、全文を入力している余裕がないので、経過を含めてあらためてご報告したいと思います。

障害者総合福祉法(仮称)の早期制定を求める意見書が採択

3月16日、川越市議会最終日で意見書が全会一致で採択されました。

幅広い障がい者団体の方々から陳情が出されていたものを各会派が受け止めての結果です。

意見書の合意に至る経過では、私たち日本共産党の方からは障害者団体から出されている原文をそのまま提案、公明党さんからは同じ趣旨で議員団としてあらためて文章を作られて提案されました。
原文と若干文章が変わっていますが、主旨は活かされていると判断できましたので、合意がより広がるのであれば私たち日本共産党も公明党さんの案で進められるようにと議会運営委員会の中でも話しました。

みなさんから出された原文をもとに、すべての会派が合意できる内容にと努力したことの結果だと感じます。このように建設的な議論が議会でできることはとても喜ばしいことだと思います。
もちろん、団体のみなさんがていねいに各会派をまわって話をしていただいたことは各々の心をとらえたものだと思います。

わたしもみなさんの思いに何とかこたえられたかなと、少しホッとしています。
新聞報道などではあまり目にしないと思いますので、以下、採択された全文を掲載しておきます。


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障害者総合福祉法(仮称)の早期制定を求める意見書

平成二十二年一月に内閣府に設置された「障がい者制度改革推進会議」は国連の障害者権利条約の批准及び障害者自立支援法訴訟団との基本合意文書をもとに国内法の整備を進めるために議論をしてきた。
平成二十二年四月には、この推進会議の下に全国の障害者・支援団体の代表等五十五名が参加した、「障害者総合福祉法」(仮称)を平成二十五年八月までに制定するための検討が精力的に重ねられてきた。そして、五十五人の総合福祉部会委員の総意として平成二十三年八月三十日に「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」(以下「骨格提言」)がまとめられた。
骨格提言は「私たち抜きに私たちのことを決めないで」という合言葉を基に、平成二十三年八月に改正された障害者基本法の理念「全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現する」をもとに障害者を保護の対象から権利の主体への転換を求め、地域で自立した生活を営む基本的権利を明確に打ち出している。
よって、川越市議会は、骨格提言を反映した障害者総合福祉法の確実な成立・施行を求めるとともに、障害者が基本的人権を享有する個人として尊重され、他の者との平等が保障される社会を実現するため、国会及び政府に対し左記事項について要精する。

一、平成二十三年八月三十日に五十五名の全会一致でまとめられた、障がい者制度改革推進会議総合福祉部会「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言~新法の制定を目指して」を尊重した障害者総合福祉法を制定すること。

二、障害者総合福祉法において、障害者の自立した地域生活が可能となる、質的量的に充実した障害福祉施策の予算を確保し、その提供体制を確立すること。

三、障害者総合福祉法制定にあたり、障害者福祉制度を充実させるため地方自治体の財源を十分に確保すること。

右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十四年三月十六日
川越市議会

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣
あて
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